ブロックチェーン技術の発達、DeFi(Decentralized Finance)の
普及により既存の金融システムも変わりつつあります。
この記事では、今後ますます広がるであろうDeFi保険を取り上げ、
どのように利用されていくかを解説します。
DeFi保険とは?
DeFi保険(DeFi Insurance)とは、ブロックチェーンの技術を軸に暗号業界で
世の中のリスクをカバーしようという金融商品です。
健康・生命・災害保険など、従来からある保険商品をAIや暗号技術を使って迅速、ストレスなく取引できるようにします。
普及すれば面白そうですよね。

なぜ生まれたのか
みなさんは保険に加入していますか?
私は手続きやらが面倒なのとイマイチ必要性を感じないので、
健康保険と自転車保険以外はいっていません。
営業セールスの人ががんばって高齢者層に売りつけるイメージが強くて
どうもとっつきにくいです。
ただ、世の中色んなリスクがあるのは事実で、
治療にお金のかかる病気になったときに
保険に入っていると安心なんだろうなとは思います。
既存の保険業界はざっくり言うと、
事故が起きたり病気になったからいち早くお金が欲しい加入者 VS
なるべく払いたくない保険会社 という感じです。
最近は手続きがかんたんなネット保険が主流になっていますが、
支払い要件が厳しかったり、
そもそも何をすれば保険金がもらえるのか分かりづらい人は多いと思います。
さくっと加入して、その事象が起きたら自動的に自分の口座へお金が入っていれば、それでいいですよね。
そこで出てきたのがDeFi保険です。
後ほど紹介するEtheriscのようなプラットフォームを使って誰でも独自の保険を作成し、DeFiシステムで世界中の人に保険商品を買ってもらえます。
ネット保険をより多くの人がよりかんたんに利用できるイメージでしょうか。
トラストレスで取引ができるイーサリアムのような基盤に保険業界が丸ごと
乗っかる日が来るかもしれません。
- 従来の保険が分かりづらく使いづらいから
- 誰でもサクッと加入して、サクッと保険金を受け取れるようにするため
代表的なDeFi保険
先ほど触れたように、Etheriscは暗号資産の保険を作って
商品化できるプラットフォームです。
保険をつくるって難しそうですが、
開発キットのようなテンプレートを使って構築ができます。
1、現実世界の保険
- フライト遅延保険
- ハリケーン保険
- 社会保険
- 作物保険
2、暗号資産の保険
- ウォレットに対するハッキングへの保険
- 差し入れた担保(Collateral)が目減りしたときの保険
仮想通貨システムの普及とともにEtheriscのようなDeFi保険がカバーする範囲、
需要がますます増えそうです。
Nexus Mutualは主にスマートコントラクトリスクをカバーする保険プロジェクトです。
多くのDeFiプロジェクトのリスクに対して保険をかけることができ、
2021年7月18日の時点で約340億円がNexus Mutualの資産プールにロックされています。
仮想通貨市場へ投入される金額が増えれば、
Nexus Mutualのような取引リスクをカバーするDeFi保険にも
資金が流れ込む傾向にあります。
仮想通貨の保険以外に、
気象保険などの現実世界を対象にした保険へも進出しています。
今後どうなる?
DeFi保険は、世界中どこでも買えるスケール感と契約のスピードにより、
今後広がっていくことは間違いないと思います。
- トラストレスなスマートコントラクトの普及
- ややこしい書類や契約がいらない
- 資金の出し入れがしやすい
- 仲介料(人件費)が従来より安い
といった特徴は、既存の保険業界との対比になっています。
一方で
- DeFi保険自体のセキュリティ強化
- 仕組みを分かりやすく伝えること
これらは、今後の課題とも言えます。
仮想通貨のエコシステムが人々の暮らしに広がっていくにつれ、
DeFi保険も楽しみな分野の1つになりそうです。
