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仮想通貨のハッカソン特集|レイヤー1の激しい開発競争

仮想通貨の界隈でハッカソンHackathonという言葉をよく耳にします。

Hackathon はソフトウェアに係わるプログラマーやグラフィックデザイナーが集まり、短期間でソフトウェア製品を開発するイベントのことです。

ここ数年、仮想通貨のプロジェクトが主催する大規模なHackathonが増えてきました。

特に資金力のあるレイヤー1間の開発競争は激化。各チェーンが高額な賞金を出し、優秀な開発者やプロダクトをエコシステムに引き入れようとしています。

この記事では、レイヤー1チェーンの Hackathonの規模を解説し、今後も成長を続けそうなプロジェクトを探ります。

目次

Avalanche

Avalancheは、2021年8月から価格がおよそ10倍上昇し、 11月29日時点で時価総額ランキング11位につけています。

インセンティブ設計や開発者への資金提供に注力しており、2021年9月にアバランチ財団(Avalanche Foundation)が複数の大手VCなどから約2億3000万ドルの資金を調達

さらに11月初旬にも2億ドルのファンド「ブリザード(Blizzard)」を設立しています。

開発に力を入れているAvalancheですが、Hackathonも頻繁に実施しているのでしょうか?

調べてみると スポット的に小規模の開催をしているようです。

<AvalancheのHackathon >

Hackathon 名称Avalanche Hacks         
開催テーマGaming開発
賞金総額$50,000
開催期間              2021年12月3日から12月5日
開催場所イスタンブール
                    
                        出典 https://www.avalanchehacks.com/

今回のHackathonはトルコ語圏の人に限られるそうですが、リアル開催ならではのアイデアが生まれそうですね。

Solana

Solanaは5月の暴落を尻目に成長をつづけ、今や時価総額TOP5のチェーンとなりました。

早いトランザクションと安いガス代、NFTの活況により不動の地位を確立しています。

大規模なHackathonを行うことでも有名です。直近のIgnition Hackathonはオンラインで開催され、6,000人/568プロジェクトが参加しました。

<Solanaの直近Hackathon >

Hackathon 名称The Solana Ignition Hackathon
開催テーマDeFi、 Gaming 、Web3、デジタルアート/NFT
賞金総額$5,120,000
開催期間              2021年8月31日から10月15日 
開催場所オンライン
                    
                        出典 https://solana.com/ignition

SolanaのHackathonには

・Raydium

・Serum

・Chainlink

・Degenerate Ape Academy

といったDEXやNFTプロジェクトがスポンサーとして賞金を出しています。

さらに審査員には

・FTXのCEO

・a16zのGeneral Partner

・AxieのCo-Founder

・MicrosoftのStrategist…etc

といった豪華な顔ぶれが揃います。

Solanaのエコシステムが拡大するわけですね。開発したいプロダクトの方向性がはっきりとしており、人とお金をきちんとかけて大規模なHackathonを定期的に開催しています。

さすがSolanaというイベント。

Hackathon の賞金も5~6月に開催した前回の$1,000,000から大幅にアップしています。

Solanaは11月7日から10日にリスボンで開かれたカンファレンスでも重要な発表をいくつかしています。

・BraveBrowserとSolanaの統合

・GPUレンダリングネットワークを手掛けるRenderToken ($RNDR)との提携によるスマホでのメタバース体験強化

・Solana上でMetaMaskが使用可能に…etc

Solana盤石です。

Algorand

Algorandも2021年8月から$ALGOが急上昇し新高値を更新しました。

Algorandの特徴の一つは、アプリ開発に対応したプログラミング言語の数です。

・JAVA

・python

・Rust

・JavaScript

・Go

・Dart

・C++

・C#

・Swift

9つの言語で開発することができるため、開発者にとってエコシステムに加わりやすいですね。

Hackathon の規模はというと

< Algorandの直近Hackathon >

Hackathon 名称Bring Your A Game
開催テーマGaming(スマートコントラクトなどAlgorandレイヤー1標準機能を備えた
Play-to-earn、NFT game、Metaverse game)
賞金総額$1,000,000
開催期間              2021年11月1日から12月7日 
開催場所オンライン
                    
                        出典 https://algorand.foundation/developers/a-game-hackathon

1億円を超える賞金を用意しています。

Cosmos

Cosmosは以下4つの総称です。

Cosmos SDK(開発キット)

Cosmos Hub(ブロックチェーン)

Cosmos Network(通信網)

Cosmos Atom(ネイティブトークン)

Atom以外に開発ツールや各ブロックチェーンをつなぐHub機能を有します。

DeFiを支えるの巨大インフラといったイメージでしょうか。

Cosmos Networkの通信規格はInter Blockchain Communication(IBC)と呼ばれています。

2021年7月にIBC規格のブロックチェーン同士でDEXを可能にするGravity DEXをスタートしました。

開発にも熱心でHackathonも定期的に開催しています。

<Cosmosの直近Hackathon >

Hackathon 名称Hack Atom VI
開催テーマEthereum on Cosmos、Starport、
Interoperability、DeFi、End-User app、Gaming
賞金総額$1,000,000相当のATOM
開催期間              2021年11月11日から12月16日 
開催場所オンライン&リアルイベント(リスボン、ベルリン)
                    
                        出典 https://hackatom.org/

Cosmosはブロックチェーン以外にも、通信規格やチェーン間をつなぐ開発も行っているため、 Hackathonテーマが多岐にわたって興味深いです。

Chainlink

ChainlinkはDeFiのスマートコントラクトとデータプロバイダーを橋渡すOracle機能を担うプロジェクトです。

ブロックチェーンテクノロジーにとって現時点でOracleは欠かせない要素です。

特に現実世界の出来事をブロックチェーンに刻むハイブリッドスマートコントラクトは、これからユースケースの拡大が予想されます。

こちらはOracleやChainlinkを解説した記事です

Hackathonもそこそこの規模で行われています。

< Chainlinkの直近Hackathon >

Hackathon 名称Fall 2021 Chainlink Hackathon
開催テーマハイブリッドスマートコントラクトを用いた分散型アプリの構築
賞金総額$572,500
開催期間              2021年10月22日から11月28日 
開催場所オンライン
                    
                        出典 https://chain.link/hackathon

まとめ

巨大プロジェクトが中心となって主催するhachathon以外にも、至る所で賞金を出して開発を募る動きが見られます。

規模も大きくなり、$100Mの賞金を出すhachathonが当たり前になってきました。

人とお金が集まり発展して、さらにお金と人が集まるというエコシステムの拡大サイクルができています。

プロジェクトに対する愛着と、開発による収益化の要素が相まって、暗号業界はますます発展しそうですね。

hackathonと聞くと一箇所に集まって合宿を行うイメージですが、コロナ下のご時世で世界中の人が参加するため、ZOOMやDiscordを使ったオンライン開催が多いようです。

今後VRや先端の映像技術が普及すれば、離れていてもあたかも同じ空間にいるような環境下でhachathonが開催されるかもしれません。

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