この記事では、DeFiの広がりとともに注目される仮想通貨による
予測市場(Prediction Market)を取り上げます。
目次
• 予測市場とは
• どんな予測市場があるの?
☑︎Augur
☑︎Omen
☑︎Polymarket
☑︎Hedgehog
☑︎Polkamarkets
•予測市場の今後
予測市場とは?
①意思決定ツール
②投機として
予測市場とは、現実/仮想世界 で起きるイベントの結果を予測し、お金を賭け、
正しい結果を当てるとキャッシュバックされる一連のシステムです。
主に、早期の意思決定や投機(トレード)目的に予測市場は使われます。
①意思決定ツールとして
将来起こる二者択一(Yes/No)の出来事を正しく当てるとお金がもらえるとき、人はどういう行動を取るでしょうか?
たいていの人は、信頼されているWebサイトや人物の発言を見聞きし、確度の高い結論を出すと思います。
この“大衆の知恵”の集約により、将来の出来事を見通すことができるようになります。
例えば
• 選挙の結果
• 会社の売却
• 天気予報
• 災害の終息
• 為替や株の値動き
といった出来事は、結果が予め分かっている方が助かる人が多そうですね。
予測市場の優れた点は、早くて確度の高い結果の見通しを意思決定に組み込めることです。

②投機目的
投機目的や娯楽としての方が、予測市場の用途としてなじみやすいかもしれません。
スポーツの勝敗が分かりやすいですが、結果を賭けることで金銭的利益をもらえるなら、参加する人はいそうですよね。
その場合でも、正確な予想を立てようと少なからず努力すると思うので、こういった人たちも“早くて正確な結果の見通し”に一役買うことになります。
人間の欲求と社会的利益を仮想通貨で結ぶ予測市場の考え方は面白いですよね。
どんな予測市場があるの?
Augur
- 設立 2014年
- パートナー KRI
- ネイティブトークン $REP
Augueの特徴
• Ethereum上のスマートコントラクトで稼働する予測市場プラット
フォーム
• オープンソースの分散型
プロトコル
• 分散型オラクルとしても機能
Omen
- フレームワーク Gnosis
- 構築団体 DXdao
Omenの特徴
• 誰でも予測市場を作成できる
• 任意のデータソース、オラクルを使用できる
• Omenで発行される条件付き
トークンはERC-1155に準拠
Polymarket
- 設立 2018年
- 設立者 Shayne Coplan
Polymarketの特徴
•取引手数料がかからない
•クレジット/デビットカードが一部利用できる
•レバレッジ取引可能
Hedgehog
- メインチェーン
Solana($SOL) - 設立
2021年 第4四半期ごろ - 主要VC
Alameda Research, Divergence Ventures,Republic Labs,
Reciprocal Ventures, MGNR, Manna
Hedgehogの特徴
•Solanaの速くて安いトランザクションを利用
•直感的なUI、UXを構築しており、マーケティングが戦略的
•DeFi&DPM(分散型予測市場)によるユーザーの拡大が期待できる
Polkamarkets
- 設立 2021年
- ネイティブトークン $POLK
- 設立者
Ricardo Marques(CEO), Francisco Lourenço(CMO)
Polkamarketsの特徴
•DeFiによる予測市場を構築
•NFTゲームやスポーツ/eスポーツのマーケットが豊富
•将来的にはクロスチェーン対応の予測市場になる

予測市場の今後
予測市場の性質は
①市場主導の将来予想
②投機
が中心です。
金銭的リターンを求めて、特定の分かりやすい事象に参加者が集まる市場
予測市場が描く大きな目的の1つは、予測市場が複雑な世の中の未来を見通すことで、人々や組織(あるいはAI)がより合理的に行動できることだと思います。
ユースケース、参加者の増加により、より複雑な事象(気候変動や社会問題の予測)を扱うマーケットへ成長すること
現状道半ばですが、ブロックチェーンテクノロジーと大衆の知恵を活かす予測市場の掛け合わせは、世の中を見通すという難しい命題を、より身近なものにし得る可能性を持っています。
- DeFiやOracleをはじめとする仮想通貨エコシステム全体の普及
- 単なる投機場所ではない予測市場の意義が広く認知される
- 予測市場アプリの見やすさ、操作しやすさの向上
個人的にはHedgehogのような、かわいらしい分散型予測市場のユースケースが広がるといいなと思います。